6/09/2009

自閉症の子供の親を助けるプログラム

ワシントンタイムズの記事:
http://www.washingtontimes.com/news/2009/apr/26/program-equips-parents-kids-autism/

私訳:
1970年代、自閉症が一万人に一人というまれな症状だったころ、バリーとサマリア・コーフマン夫妻は、息子のローンが重度の自閉症だと診断された。

今日、疾病制御・予防センターによると、自閉症関連の障害の発生する率は150人に一人とまで増加している。しかし、親たちの悩みの重さは今も昔も変わっていない。

「自閉症の子供をもつ親は、この子は今後治ることはなく、会話もせず、友人もできない。愛情や愛着をもつことも、世間に出て礼儀正しくふるまうことも、なにかの学問を学ぶこともない、と、よく言われるのです」と、マサチューセッツ州シェフィールドにある米国自閉症治療協会の事務局長であり、ローンの姉である、ブリン・ホーガン女史は言う。「診断はともかくも、予後が問題で、ある三歳児をもつ親の中にはグループホームのパンフレットを渡されるケースもあります」

コーフマン夫妻は、ローンが話をせず、目を合わせることも、学ぶことも、身の周りについて気づくこともないという言葉を受け入れることを拒否し、ローンの行動について学ぶことを決意し、ヒントを求めて彼の行動に合わせ始めた。床で皿を回したり、手をひらひらさせたり、キーキーと何時間も叫んだり、という、ローンの儀式的常動行為をやめさせるのではなく、夫婦は、その行為に参加し、何時間もいっしょに同じことをやった。ローンを無条件に愛し、受け入れることを選び、目を合わせてくれるたびに褒め、祝い、遊びの中で、やりとりができるたびに喜んだ。

専門家の予測をものともせず、3年半ののちにローンは完全に治っていた。彼は完全に正常に機能し、賢く社交的な少年となり、正常な学童期を送り、アイビーリーグの優秀な大学を卒業し、現在、米国自閉症治療センターとオプション協会の最高責任者を務めている。

家族のストーリーは1979年にテレビ映画「サンライズ:愛の奇跡」という題名でトラマ化され、そのすぐあとから、何百という親たちが自分の子供にも手を貸してほしいと要請がくるようになり、それがきっかけとなり、1983年に米国自閉症治療センターを開くことになる。

「中心的アイデアは、子供は自分の世界へ入る道を我々に教え、親はそこから出る道を示す、ということです。」と、ローン・コーフマンは、最近のインタビューで答えている。

このアプローチは、自閉症が一生つづく障害であり、治らないとする応用行動分析(ABA)の立場とは逆である。

ホーガン女史の説明では、「専門家の世界では、自閉症の子供を救うことはできない、というのがいわずもがなに信じられています。だから、最良の方策は、彼らを訓練して一般社会で変人と見えないようにしたり、変な音をたてないようにしたり、家族に恥をかかせないようにすること、だと信じているのです。ABAは、望ましい行動を強化するかネガティブな結果を減らすことで、問題行動を消去しようとします。」

ローン・コーフマンの姉として、ホーガン女史はサンライズ・メソッドの只中で育った。つまり、インタラクティブな遊び、アイ・コンタクトを奨励し、コミュニケーションを築くために楽しさとわくわく感を取り入れ、楽観的かつ一貫的、また、安全で気の散らない遊び部屋をつくりあげた。のちに、彼女はその他の介入法についての研究や職業選択についても探索してみたが、サンライズ・メソッドほどの効果的なものはなかった。

ホーガン女史はいう。「サンライズ・プログラムは、学校にはできないようなことで子供を助けるよう親に力を与えます。全宇宙でもっとも強力な力を動員するのです。それは、子供への親の愛情です。それから、子供たちを助けるための実践的技術を教えます。」
「このプログラムを行うためには、親自身が自分自身の中でもっとも愛すべき部分を発見する必要があります。」

予期していなかったが、これは、ホーガン女史自身にとっても個人的な探求となった。

ホーガン女子はこう語る。「養子として迎えた娘が2歳の時から言葉を話さなくなり、目を合わせることをいやがり、トイレを何度も流す、泣き叫ぶ、部屋の隅に逃げる、という行動がはじまりました。夫と私は彼女が自閉的傾向があるとわかりました。それで、3年半の期間、私はこの非常に心の痛む道を歩み、私自身の最愛の部分を探し求めつつ、娘にこのプログラムを行いました。―――今では、フレンドリーで暖かい、思いやりのある13歳の正常な少女で、「ママ、もうちょっとスピードを上げたらどうかしら?」と言って、目をくりくりさせます。夫と私は本当に神の祝福を感じています。」

オハイオ州カントンのニコール・シューマッハは、8歳の息子アンドルーにサンライズプログラムを行い、ここ数年の間に彼は「開花した」と話す。

「このプログラムは、関係性に基礎をおいていて、子供自身の能力そのものに焦点をあてています」とシューマッハ夫人は言う。彼女は心理学で博士号をもつ。「一言でいえば、『効果がある』ということよ」
アンドルーは、以前、叩く、泣き叫ぶ、噛む、ドアが開いた瞬間に外へ飛び出す、わけのわからない言葉を話す、どこに行くにも家族とともに行動できない子供だった。今は、家族とともにあらゆることができる、よく話す、ほかの人々とうまく協調する子供になった。母親が言うには「社交的すぎる」ぐらいだ。

このプログラムを初めて二か月たったころ、アンドルーが「ママ大好き」と言ったのです、とシューマッハ女史は言った。「中に鍵をかけて閉じこもっていたものは、自分で鍵をあけることができたんです。今はもう家族でいっしょにどこへでも行って、行動できる。こんなことができるようになるとは思っていなかった。アンドルーが現在何の問題もないということをほとんどの人は信じられないだろう。

特別支援の専門家ももちろん学んでほしいが、米国自閉症支援協会(ATCA)の主な仕事は、親たちが子どもと一緒に取り組むように力を与え、協力者をつのり、その人々を訓練するようにすることだ。親の過労、絶望、無力感、自責の念、不満などにも対処し解決に導く。

「親たちは士気をくじかれることもあります」とコーフマン氏はいう。「それで、一つのプログラムを継続し、集中し、発達を観察し、結果をみるというのが難しいのです。それで、私たちは、親たちが感動しつづけ、やる気が持続するように手助けします。」

バークシャー州にある山の静養所で、一週間のトレーニングセッション中にローン・コーフマンは言った。「我々の照準は、ツールを親たち自身のものとしてもらうことです。なぜなら、親は子供をほかの誰よりも愛しているから。」

セッションに参加する前に、親はこのセンターのウェブサイト(http://www.autismtreatmentcenter.org/)にいってみることができる。そこで、基礎的スキルや環境づくりについて説明している短いビデオをみて、すぐにでも子供に適用することができる。

およそ2200ドルという、トレーニングの費用をきくと、ちょっとひるんでしまうかもしれない。また、セミナーの間、子供を見てくれる人を探さねばならない。しかし、このプログラムを用いたおよそ25000組の親たちの報告したインパクトをみると、その資金は支払う価値がある。ここのウェブサイトは、あらゆる年代、あらゆる問題のある子供をもつ親からの、突破したという喜びの手紙とストーリーで満ち溢れている。

現在「草の根自閉症ツアー」が国を横断しており、コーフマン氏と、サンライズ経験者のクリスチン・セルビー・ゴンザレスが無料の二時間の講演の中で自閉症の子をもつ親が使えるツールを教えている。その中で食事法、酵素を使った療法がツアーのスポンサーであるエンジメディカ社から紹介もされる。この講演会に参加した親100組に、エンジメディカ社が提供する、サンライズトレーニングに参加できる全額の奨学金が贈られるが、そのための申込みができる。

愛、受容、感謝、喜び、楽しさ‐――それがサンライズアプローチの定数である。コーフマン氏は、自閉症でもその他の数多くの試練のある環境にある人々でも「いかなる状況、暮らしも改善する、心のありかたのツールです」と強調した。

シューマッハ女史は言う。「自閉症は、インタラクション障害です。この方法は、人間関係に基礎をおいたアプローチで、子供自身の能力に焦点をあてます。そして、子供とコネクトできれば、子供の中に鍵をかけて閉じこもっていたものは、自ら鍵をあけます」サンライズプログラムの価値は、子供だけのものではないのです。これは、贈り物です。このプログラムは本当に多くのものを教えてくれた。だから、今私は本当に変わった。なりたかった自分に。」